これまでの”Profilo”シリーズ

リサイタルシリーズ”Profilo”とは?

【profilo】[名](男)
1 輪郭
2 横顔, プロフィール
3 側面, 観点
4 (建築物, 船体の)縦断面(図), 側面図;(地層の)断面図
5 簡単な人物紹介, 人物評
6 縁取り, 縁飾り, 笹縁.
7 彫刻刀.

(伊和中辞典 2版)

何百年も前に生まれ、時を越え国を越えて愛されてきた作品たち。チェンバロが奏でる音楽を通して、時代、国、楽器、そして作曲家の”Profilo”を見つめるシリーズです。


第1回「チェンバロ・プロフィーロ」

2021年12月28日(火)
東京オペラシティ3F 近江楽堂

出演 流尾真衣(チェンバロ) 
ゲスト:谷口洋介(テノール

プログラム等はこちらをクリック

◆Program◆
◆J.S.バッハ:フランス風序曲 BWV831 全曲
:プレリュード第1番 ハ長調 BWV846  ー《平均律クラヴィーア曲集第1巻》より
◆W.バード:ソールズベリー伯爵のパヴァーヌとガイヤルド  MB27/15
★G.フレスコバルディ:こんなふうに僕を軽蔑して F7.16
◆L.クープラン:プレリュード  ニ短調
◆J.カバニーリェス:第1旋法によるパッサカーリェス
★G.F.ヘンデル:あなたがこの方を誹ったので~しかし、あなたは彼の魂を陰府に捨て置かれず ーオラトリオ≪メサイア≫ HWV56 第2部より
◆D.スカルラッテイ:ソナタ ニ長調 K.119
★J.S.バッハ:さあ倣り高ぶる敵どもよ、脅かすがいい  —≪クリスマス・オラトリオ≫ BWV248 第6部より


《使用チェンバロ》久保田 彰氏 製作 初期フランス様式 二段鍵盤(2006年) 近江楽堂所蔵

皆様は、チェンバロという楽器、そしてその音楽にどのようなイメージを抱かれるでしょうか。
何百年も前に生まれ、時を越え国を越えて愛されてきた多くの作品たち。チェンバロが奏でる音楽を通して、時代、国、楽器、そして作曲家の「横顔=”Profilo”」を見つめるシリーズが始まります。
記念すべき第1回は、まずはチェンバロという楽器のProfiloをほんの一部、ご紹介します。メインプログラムはJ.S.バッハの《フランス風序曲》。上下2段の鍵盤を駆使し、フランス様式とバッハの音楽が融合した数々の舞曲で織りなされる名曲です。
チェンバロを聴くのが初めての方も、チェンバロを愛してやまない方も、どうぞ日常を離れ、ごゆっくりとお楽しみください。

映像制作:Promusica Continuo株式会社

第2回「バッハ 若き日々〜2つの写本から〜」

2023年7月29日(土)
松本記念音楽迎賓館 Aホール

2回公演(同一プログラム)
①12:00開演(11:30開場)
②15:00開演(14:30開場)

出演 流尾真衣(チェンバロ、オルガン) 
ゲスト:谷口洋介(テノール)

プログラム等はこちらをクリック

◆Program◆
◆J.S.バッハ:
・トッカータ ニ長調  BWV912
・カプリッチョ「ヨハン・クリストフ・バッハをたたえて」ホ長調 BWV993
・ファンタジア イ短調 BWV922
・コラール前奏曲「暁の明星のいと美しきかな」BWV739
・カンタータ第106番「神の時は最上の時なり」抜粋

◆J.J.フローベルガー:トッカータ ニ短調 FbWV102
◆D.ブクステフーデ:チャッコーナ ホ短調 BuxWV160
◆G.ベーム:組曲第2番 ニ長調より 序曲


《使用チェンバロ》クラヴサン工房アダチ 製作 フレンチモデル 二段鍵盤 松本記念音楽迎賓館 蔵

10歳までに相次いで両親を亡くし、孤児となったヨハン・セバスチャン・バッハ。死が身近であった時代とはいえ、まだ幼い子供にとってこの喪失はどれほど辛いことであったでしょうか。

オールドルフでオルガニストをつとめていた長兄ヨハン・クリストフに引き取られ音楽の手ほどきを受けたバッハ。月明かりのもと、数ヶ月に渡って兄の楽譜コレクションを筆写したエピソードは有名です。バッハはその後リューネブルク、アルンシュタット、ミュールハウゼン、ヴァイマル……と各地を転々としながら、音楽の腕をたよりにその人生を歩んでいきます。

《平均律クラヴィーア曲集》《インヴェンションとシンフォニア》《フランス組曲》など、こんにちピアノでもよく演奏されるバッハの鍵盤作品。しかしこれらはみな30代以降の円熟期の作品です。バッハは若い頃、どんな作品を書いていたのでしょうか?どんな人物、作品と出会っていたのでしょうか?
兄ヨハン・クリストフが編纂したとされる『メラ―写本』『アンドレアス・バッハ本』を中心に、バッハ30歳頃までの作品をお届けします。

トッカータニ長調BWV912冒頭部分 
メラー写本より

主催:リサイタルシリーズ”Profilo”実行委員会
後援:日本チェンバロ協会
協力:Promusica Continuo株式会社
助成:さわかみオペラ芸術振興財団
  「みんなの寄付」

2024年9月11日(水)
代官山教会 チャーチホール

  出演 流尾真衣(チェンバロ) 
 ゲスト:谷口洋介(テノール)
     島根朋史(ヴィオラ・ダ・ガンバ)

プログラム等はこちらをクリック
Rameau

◆Program◆
●ジャン=フィリップ・ラモー(1683-1764): 
 ≪クラヴサン曲集と運指法≫(1724)
  『一つ目巨人』『鳥の呼び戻し』『タンブーラン』『やさしい訴え』 
 ≪新クラヴサン組曲集≫(1726/27)
  『未開人』『めんどり』『3つの手』 

オペラ《ゾロアスター》RCT62 より抜粋 

カンタータ《焦燥 L’impatience》RCT26

●M.マレ(1656-1728):
 ≪ヴィオール曲集第5巻≫(1725)より  『膀胱結石手術図』

●J.S.バッハ(1685-1750):
 インヴェンションとシンフォニア(1723完成)より   
 インヴェンション第1番、シンフォニア第11番

ほか

《使用チェンバロ》東京古典楽器センター 製作 二段鍵盤 フレンチタイプ

3回目を迎える”Profilo”シリーズ、今回は18世紀フランス啓蒙主義時代の作曲家・理論家のJ.Ph.ラモー(1683-1764)を取り上げます。

フランスの都市ディジョンでオルガニストの父のもと生まれたラモー。バッハやヘンデルの2歳上にあたります。
23歳のとき最初のクラヴサン(=仏語でチェンバロ)曲集を出版。39歳の時には400ページを超える大著『和声論』を出版、音楽理論家として認められます。広く知られていませんが、ラモーは西洋音楽史における最重要理論家の一人で、音楽構造の解明に命をかけた人です。この理論は西洋音楽理論の礎となり、こんにち私たちが当たり前のように扱っている音楽理論の数々は、実はラモーが提唱したものなのです。

オペラ作曲家としても名高いラモーですが、オペラを初上演したのは50歳と「大器晩成型」の作曲家ともいわれます。
しかし、それ以前に世に出されたクラヴサン作品はまさに珠玉の作品群です。繊細な旋律線が絡み合うため息の出るような作品、鳥の模倣や未開の地をテーマとしたエキゾチックな題材、またテクニックを駆使するヴィルトゥオーゾ的作品など、小曲ながら非常に味のあるものばかりです。
楽譜の上ではいっけんシンプル・単純に見えてしまうラモーのクラヴサン曲はチェンバロを学ぶ人にとっても早い時期に触れることが多い作品群ですが、その作品を掘り下げていくと、実は非常に劇場的・先進的であることが見えてきます(後にラモーは自らの鍵盤作品をオペラの中に編曲・挿入しています)。


今回中心に据える《クラヴサン曲集と運指法》は今から300年前の1724年、ラモーが41歳頃に出版されました。鍵盤音楽はもちろんラモーのオペラやカンタータ等声楽曲も交え、さらにこの曲集が出版された1724年前後のヨーロッパの音楽シーンにも触れながらお届けします。
 
ゲストにはフレンチバロックオペラにも多くご出演のテノールの谷口洋介氏、ヴィオラ・ダ・ガンバの島根朋史氏をお迎えし、美しい絵付けが施されたクラヴサンで演奏する盛りだくさんのプログラムです。
(演奏ピッチ A=392Hz)